本人の変化には、周囲の願いが関わることもあります。亡き家族のために経を読み、善い行いをする人々が登場します。その願いが届くまでの説明には、受ける側が以前に結んだ縁や、助けに応じる心も含まれます。誰かを思う行いが、別の生命の歩みとどう結びつくか。それを丁寧に語る箇所が、供養や回向の理解を深めてくれます。
こうして読み進めると、厳しい教えの先に、生命がよりよい境遇へ向かう道が開かれています。人をいたわり、受けた恩に応え、過ちを繰り返さない暮らしが、その道を支えます。天界、浄土、解脱など、目指す先を表す言葉にもそれぞれの意味があります。どのような行いと願いが、どの行方につながるのかは、本文で順に確かめていきます。
この入門書は、日本語で親しんできた言葉や習慣を手がかりに、そのつながりを紹介します。見慣れた漢字にも、中国の善書の中で読むと、もう一つ説明が必要になる箇所があります。名号や儀礼の背景を知ることは、問答の中で何が起きているかを理解するためです。読み終えたとき、今日の心と言葉と行いが、これからの生命へどう続くのかを、自分の言葉で考えられる一冊を目指しています。
目次
第1章 因果とこれからの生き方
第2章 生と死を越えて続くいのち
第3章 心と言葉と行い
第4章 地獄と行いの結果
第5章 過ちを改めて生き直す
第6章 善い行いといのちの行方